映画ミスサイゴン25周年記念公演の感想

いやぁ~すごかった。。。。

ミスサイゴンの映画がとても良いらしいと、ツイッターでちらほら情報が流れていたので、とても気になってはいたものの、サイゴン音楽は好きだけれど、話が悲しいからなぁ~、舞台見るたび号泣だし、映画観た後、自分が辛くなりそう・・・・と思って二の足を踏んでいました。

そうこうしているうちに、最寄りの映画館での上映が終了し、仕方ないと思っていたら、今後は有楽町のTOHOシネマズシャンテで上映が開始され、もうこれは行くしかないと行ってまいりました。

私は、ハプスブルク家のエリザベート、TDVのドラキュラ城、1789など、どちらかというと綺麗、ゴージャス系の舞台が好み。

サイゴンやレミゼのように泥臭い人間ドラマは現実世界の嫌な面を見せつけられるようで、音楽は好きだけれど舞台はそこまで・・・とずっと思っていました。でも最近はサイゴンやレミゼに強烈にひかれるようになってきています。年をとったからかな?

さて、映画版サイゴン。

役者さんたちのとんでもないスキルの高さ、熱量、舞台の迫力、そしてそれを余すところなく写すカメラワーク。

一流の人たちが作り上げたとてつもない作品といえるのではないでしょうか。

上映時間が恐らくどこも遅い時間しかやっていないので、見に行くのを躊躇している方もいると思いますが、ぜひ少しでも興味があったら、劇場での観劇をおすすめします。

なんといってもキャストさんが凄かった!

出演されている皆さん、とてつもなく良かったのですが、まずはエンジニア役のジョン・ジョン・ブリオネスさん。

アクが強くギラギラで目が離せませんでした。エンジニアは生き伸びる事への執着がすさまじい役ですが、ジョン・ジョン・ブリオネスさんは、生き延びるためなら、躊躇なく人も殺しそう。

日本でエンジニア役を演じたダイアモンド☆ユカイさんは、ジョン・ジョン扮するエンジニアを参考にしたそうですが、確かに去年舞台をみた時、ダイアモンド☆ユカイさんからは、綺麗ごとの無い生き延びるために必死なエンジニア像を感じました。

ジョン・ジョン・ブリオネスさんは、フィリピン出身で、1989年のロンドンオリジナル版のミスサイゴンにも出演、その後、ドイツやフィリピンなど数か国で演じられてきているそうです。

インタービュー動画で、ジョン・ジョンさんが「ミスサイゴンは多くのアジア人に門戸を開いている」と話されているのですが、ジョン・ジョンさんがエンジニアを演じてくれて本当に嬉しい。

グランドフィナーレでは、ロンドン初演キャストでエンジニアを演じたジョナサン・プライスさんも出てきました。

なんだか見た事のあるお顔だなと思っていたら、ジョナサン・プライス氏、007トゥモローネバーダイやパイレーツオブカリビアンのようなハリウッド大作にも出演していました。

ジョナサン・プライスさん、フィナーレでアメリカンドリームを歌ってくれたのですが、もう結構なお年なのに、身体が柔らかくしなやかで、セリフをつけて歌うと空気が変わります。

日本でいうと、市村さんエンジニアがジョナサン・プライスさんに近いような。(もしかしたら市村さんは、ジョナサン・プライスさんを参考にしたのかな?)

エンジニア役は、歌や踊りがうまいだけでもきっとダメで、劇場の空間を支配できるような人じゃないと、なかなか難しいと思うのですが、ジョン・ジョン・ブリオネスさん、ジョナサン・プライスさんも非常に圧巻でした。

そういえば、ジョナサン・プライスさんは、アメリカンドリームの歌詞に「俺の介護にやってきた」など、自虐っぽいせりふをちょいちょいいれて笑いを取っていました(笑)

そして、ミスサイゴンといえばキム!

もう歌唱力もキムのピュアなところも、最高のキムでした。

帰って調べたら、なんと映画出演当時17歳のエバ・ノブルザダさん。17歳でこの演技や歌はすごいと思ったけれど、あのキムの透き通った無垢さは、17歳ならではなのかも。

去年帝劇でみたスハキムを思いだしました。

そういえば、スハキムはサイゴンの017年英国ツアーでキム役のファーストキャストに抜擢されたようです。素晴らしい!

スハキムもそうですが、エバ・ノブルザダさんも、丸顔であどけないから、結末知って冒頭から見てると泣けちゃうんですよね。
映画版は、クリスと結ばれてからのキムが本当に幸せいっぱいで、笑顔を見るとこちらもうれしくなる半面、この後の結末を思うと悲しくなってしまう。

そいういえば今回、ミスサイゴンの映画版でいいなと思ったのは、感情表現がはっきりしているところ。キスシーンが何度もあるし、抱き合うシーンも激しいし、物語としてはこちらがふさわしいと思うのですが、日本の舞台だとここら辺、大人しくてキスシーンは型にはまったようになる事があるから、自然な激情に身を任せて演じている海外版の舞台はいいなと思いました。

エバ・ノブルザダさんは無垢がゆえの強さを感じさせる、とても素晴らしいキムでした。

グランドフィナーレでは、ロンドン初演でキム役を演じたリア・サロンガさんが登場。会場がめちゃ湧き、すごい人気!

私は、レミゼのエポニーヌとしてリア・サロンガさんを知ったので、そちらのイメージの方が強かったのですが、やはり歌がとてつもなく上手です。

皆さん、半端ない。

そしてまた強く印象に残ったのが、トゥイ役のホン・グァンホさん。韓国出身のミュージカル俳優さんです。

ただ怖いだけでなく、キムを深く愛していたトゥイで、とても悲しい役に感じました。キムに撃たれる前の対決シーンでは、キムもトゥイもすごい迫力で、息するのを忘れていたくらい。

スハキムもそうですが、韓国出身のミュージカル俳優さん、すごいですね!

映画版のミスサイゴンは、アジア人の役やアジア人キャスト、西洋人は西洋人キャストが演じているので、視覚的にもとてもわかりやすいです。

でも、皆さんそれぞれクオリティ高すぎて、それもすごい。

そして、カメラワーク!

舞台ならではの臨場感と、顔や身体をアップするので、演技で小刻みに震えていたり涙が見えるのが、ここは映画っぽくて、迫力と繊細さが出ていました。

舞台では表現できないところは、別の日に撮影したそうですが、一流の舞台を最高に見せるべくプロの仕事を観た気がします。

あ~サイゴン素晴らしい。